RINこんにちは。
RINです。
本日取り上げるテーマは、
juice の意味についてです。
さっそくですが、ひとつ質問です。
🥤「ちょっとジュース買ってきて」
そう頼まれたとき、みなさんは何を買いに行きますか?
・オレンジジュース?
・それとも、コーラやサイダー?
日本語では、甘い飲み物ならひとくくりに「ジュース」と呼んでしまいがちです。
しかし英語の juice は、本来そんなに広い意味を持つ語ではありません。
では、英語のjuiceが表わすものは、何でしょうか。



注目したいのは、
juice という語のコアイメージです。
・juice の本来の意味とは何か?
・なぜコーラは juice と呼べないのか?
では、いきましょう!
結論:juiceは「絞って出てきた液体」のこと
まず結論からお示しします。
juice と「ジュースと呼ばれがちな飲み物」の関係は、次のように整理できます。
| 飲み物 | 工程 | juiceと呼べるか? |
|---|---|---|
| オレンジジュース | 果実を絞る | ○ |
| トマトジュース | 果肉を絞る/搾る | ○ |
| コーラ | 水+糖+炭酸+香料を混ぜる | ✕ |
| サイダー・ラムネ | 水+糖+炭酸を混ぜる | ✕ |
juice =
・絞って出てきた液体
・果汁・野菜の搾り汁 など
コーラ・サイダー =
・「混ぜて」作られた飲み物
・英語では soda / soft drink
この違いが生まれる理由は以下です。
juice のコアイメージは「動詞:絞る」
なぜ、コーラは juice と呼べないのでしょうか?
それは juice という語が持つコアイメージと深く関係しています。
1. juice は「絞る」という動詞でもある
英語の juice は、名詞だけの語ではありません。
to juice =「絞る、搾り出す」という動詞としても使われます。
juice の「絞る」とは、対象そのものから液体を押し出すこと、すなわち、対象の中身を取り出すという行為ですね。
そして、



素材から取り出された液体こそが、
本来の juice と呼べるものなのです。
juice の語源をもう少し詳しく
juice の語源をたどると、ラテン語の iūs(汁・スープ・煮汁)に行き着きます。
そこから古フランス語 jus を経て、中英語で juce / jus として英語に入りました。
もともとは「素材から取り出した液体」を広く指す語で、
絞り汁も、煮出し汁(=出汁のようなもの)も、すべて iūs の仲間でした。
面白いのは、フランス語の jus は今でも料理の世界で
「肉汁・煮汁」の意味で生きていることです。
レストランで「ジュ・ド・ヴィアンド(jus de viande)」と聞いたら、
果汁ではなく肉のうま味を引き出した汁のことなんですね。
つまり英語の juice は、英語史の中で意味が少しずつ狭まり、
現代では「絞って出てきた液体」を中心に指すようになった、
ということになります。
興味深い疑問:「煮出した液体」− 出汁とbroth
ここで一つ、面白い疑問が浮かびます。
素材から液体を取り出すという意味では、
出汁(だし)もまた「素材のうま味を引き出した液体」ですよね。
先ほど触れたように、ラテン語の iūs は煮汁・スープも含む広い語でした。
しかし英語の発展とともに、juice は
「絞って取り出す」イメージへと役割が絞られ、
「煮出して取り出す」ほうは別の語が担当するようになりました。
・出汁 → dashi(そのまま借用語)/ broth / stock
・肉汁(ローストの滴り)→ juice や gravy
ちなみに、ローストビーフから滴る肉汁は、現代英語でも juice と呼ばれます。
こちらは熱で「染み出した・押し出された」液体なので、
「絞り出す」のイメージにきちんと収まるんですね。
現代英語の juice の中心にあるのは、あくまで「絞る」という工程です。
そのため、「絞っていない飲み物」は、
そもそも juice の仲間にはなれない、ということになります。
2. コーラは「絞る」ではなく「混ぜる」
では、コーラはどうやって作られているでしょうか?



どこからも「絞って」いない、という点がポイントですね。
同じように、サイダー・ラムネ・ファンタ・スプライトなども、
絞る工程を経ずに「混ぜて」作られています。
そのため、これらは語源的にみても juice の仲間には入らず、
英語では次のように呼ばれます。
・soda(主にアメリカ英語)
・soft drink(最も一般的)
・pop(一部地域の口語)
・carbonated drink(炭酸飲料一般)
日本語の「ジュース」とのズレ
ここで、ひとつ文化的な補足をしておきます。
日本語の「ジュース」は、果汁飲料も炭酸飲料も、甘い清涼飲料をまとめて指す言葉として定着しています。
英語の juice より、ずっと意味の範囲が広いということですね。



そのため、日本の感覚のまま、
・Can I have a juice?
と頼むと、ネイティブは 果汁ベースの飲み物 を思い浮かべます。
コーラを期待して口にすると、
オレンジジュースやアップルジュースが出てくる――
ということが、起こり得るかもしれません。
まとめ:juice という一語を読む
これまでを踏まえると、
juice という一語は次のように読み解くことができます。
juice
⇒ コアイメージは「絞り出す」
⇒ よって「絞って出てきた液体」が juice
コーラ・サイダー・ラムネ
⇒「混ぜて」作る炭酸飲料
⇒ 絞る工程がないため、juice ではなく soda / soft drink
日本語に訳せば同じ「ジュース」でも、
英語の juice には、
「絞り出す」という行為の意味合いがしっかりと残っているということですね。



一語の
「コアイメージ」まで遡ると、
その語が何を語ろうとしているのかが見えてきます。
貴重な時間を使い、
記事を読んでいただきありがとうございました。