RINこんにちは。
RINです。
本日取り上げるテーマは、
will と be going to、ふたつの未来表現の使い分けです。
そして、その舞台に選ぶのは――天気予報です。
さっそくですが、文法書の定番ルールを見てみましょう。
☁️「証拠・根拠のある予測には be going to を使う」
定番の例文はこれですね。
・Look at those clouds. It’s going to rain.
(あの雲を見て。雨になるよ)
「いま空に浮かぶ雲」という目の前の証拠が、予測を支えています。
ここで、ひとつ素朴な疑問として
世の中でもっとも「証拠に基づいた予測」といえば、何でしょうか。
――おそらく、天気予報です。
気象衛星、レーダー、スーパーコンピュータによる数値計算。
これ以上ないほど「証拠のかたまり」です。
ということは、天気予報は be going to だらけになるはず……。
ところが、実際の天気予報を聞いてみると、圧倒的に多いのは will のほうなのです。
・The temperature will fall to 5 degrees.
・It will be cloudy in the north tomorrow.
証拠があるなら be going to のはずなのに、なぜ天気予報は will ばかりなのか?
「証拠の有無」という説明について
そもそも、「証拠があれば be going to、なければ willを使う」という説明自体が、かなり大ざっぱですよね。
本当の対立は「証拠の有無」ではなく、その予測がどこに根を下ろしているかにあります。
- be going to……いま目の前にある状況から未来を読み取る。「未来はもう動き出している」という感覚。話し手(そしてしばしば聞き手も)が、この場で感じ取れる兆候が根拠になる。
- will……話し手の知識・判断・推論に基づいて、未来そのものを言い切る。証拠を指さすというより、頭の中で予測を組み立てている。
言語学者 Leech は、be going to を「現在の状況が未来において実現すること(future fulfilment of the present)」と説明しています。雨の予測でいえば、「いまの雲」という現在の原因が、「のちの雨」という結果を生む――という捉え方です。
一方の will は、目の前の兆候を指さすのではなく、話し手の知識や判断を根拠に、未来を予測します。
対立しているのは「証拠 vs 当てずっぽう」ではありません。
「いまの状況から読み取る(going to)」のか、
「自分の知識から述べる(will)」のか。
――視線の向きが違うのです。



同じ「雨が降る」でも、誰が・何にもとづいて言うかで形が変わります。
・It’s going to rain.
(空を見上げた人 ― いまの空模様から)
・It will rain in the north tomorrow.
(予報士 ― (専門)知識からの予測)
be going to は「いま」、will は時間に自由
まず注目したいのは、現在時から未来の出来事までの時間と距離です。
be going to のかたちは、「事態はすでに(降雨という未来の出来事)方向へ動いている」を表わします。現に証拠(例えば、雨雲)が存在しているため、比較的近い未来に用いられやすいとされている表現形式です。
一方、willは近くとも遠くとも使用が可能な表現形式です。
天気予報が語るのは「今」のことだけでなく「明日」「週末」といった、いまから少し離れた未来も含まれることを踏まえると、
be going toよりも、現在に縛られない will のほうが汎用性が高いと言うことでしょう。
*文字数もwillの方が短いですしね。
| be going to | will | |
|---|---|---|
| 予測の根拠 | いまある状況・兆候 | 話し手の知識・判断 |
| 時間の感覚 | いまと地続き(基本、差し迫っている) | 未来そのもの(離れていてよい) |
| 典型的な話し手 | その場で空を見上げた人 | 既存知識をもとに予測する人 |
| 例 | Look, it’s going to rain! | It will rain tomorrow. |
実際の予報は「両方」使う ― 導入は going to、その後は will
もっとも、これは「will でなければ間違い」という絶対のルールではありません。実際の予報では be going to も顔を出します。
興味深いのは、その登場の仕方です。予報士はしばしば、現存する証拠をもとに be going to で予報の内容を切り出してから、その後を will で語っていく傾向があります。
It’s going to be a wet day across the south.
Rain will spread eastwards through the morning, temperatures will struggle to reach 10 degrees, and it‘ll gradually clear by evening.
「いまの状況に錨を下ろして導入し、そこから先は知識で予測する」。be going to と will の役割分担が、見事にあらわれていますね。
とはいえ、最初から最後まで will で通す予報もごく普通です。両者の重なりは大きく、優劣の問題ではありません。
📚 文法書ではどう書かれている?
Swan の Practical English Usage は、予測にはどちらも使えるとしたうえで、「いま見えている証拠」があるときの going to の例として、まさに「黒い雲を見て It’s going to rain」を挙げています。一方 will は、知識・意見・経験にもとづく予測に向くと説明されます。
Leech の Meaning and the English Verb では、be going to を「現在の状況の未来における実現(future fulfilment of the present)」、will を中立的な予測の形として整理しています。両者とも、実際の用法には大きな重なりがあることを強調しています。
まとめ
・be going to は「状況証拠から読み取る予測」、will は「知識からの予測」。
・天気予報は、その場の空模様を踏まえた上での、既存知識にもとづく予測。
・ただし予報士が現在の状況をふまえて全体像を語るときは、going to も登場する。
・結局、どちらも「未来を語る」表現だが、be going to は「いま」を、will は「未来」を見ている。
次にテレビで天気予報を見るとき、予報士が going to と will をどう使い分けているか、そっと耳をすませてみてください。きっと、これまでとは違って聞こえてくるはずです。



One Word, One World.
貴重な時間を使い、記事を読んでいただきありがとうございました。